TOP イマ、ココ、注目社長! 目指すのは「SaaS業界のユニクロ」。真っ先に選択肢にあがり、誰もが使って後悔しない情報共有ツールのポジションを5年以内に

2020/09/09

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第110回

目指すのは「SaaS業界のユニクロ」。真っ先に選択肢にあがり、誰もが使って後悔しない情報共有ツールのポジションを5年以内に

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  • any株式会社 代表取締役 吉田 和史氏

 

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「疑問に思ったことのほとんどがウェブ検索で解決するこの時代に、なぜ社内のナレッジだけは検索できないのだろう?」――any株式会社が提供するQast(キャスト)は、誰もが一度は感じたことのあるそんな疑問を解決する社内情報共有ツールです。

 

β版がリリースされたのが、2018年7月。それから正式版がリリースされる10ヵ月たらずの間に、200社以上、その後、現在までに1,500社の登録実績というエピソードからも、この問題の解決がいかに多くの組織から求められていたのかがわかります。

 

「Anything is Possible」が社名の由来だというany社。今回はその代表を務める吉田和史さんに、サービス開発の経緯や会社の未来図、そしてSaaS業界に対するユニークな持論などをうかがいました。

(聞き手/井上和幸)

「一時は本気でプロを目指していた」という地元福岡でのサッカー少年時代。大学で現役引退をした際に吉田さんが思ったのは、「サッカーと同じくらいのモチベーションでできる仕事がしたい」だったといいます。

 

高校時代の部活のコーチに相談したところ「将来を見据えるのならIT業界ではないか?」とのアドバイスをもらい、「せっかくIT業界で活躍するのであれば」と上京。株式会社アイモバイルでネット広告の営業を、名古屋に本拠地をおくグッディア株式会社でアプリ企画やメディアディレクション、マーケティングなどを経験し、現在のany社につながるベースを培いました。

 

福岡にいたときは両親含め周囲の大人のほとんどがサラリーマンだったこともあり、「起業志向はまったくなかった」そうですが、新規事業のアイディア出しをしていた会議の席で「これは自分でもできるのではないだろうか?」「立ち上げから最後の責任を持つところまで事業をやり抜いてみたい」という思いが生まれたのだそう。

 

インタビューは、そのくだりをお話しいただくところからスタートします。

 

“好き”から“社会の課題解決”へ事業テーマを大きくシフト

――「起業しよう」と思われてから行動を起こすまでがかなり早かったように感じるのですが、やはり着想を得て、いてもたっても…という感じだったのですか?

 

吉田 そうですね、「本気でやれば何でもできるんじゃないか」という若気の至りと申しますか…(笑)。ただ、確かに割とすぐに立ち上げましたが、最初にやっていたWebサイトは起業前から運営してはいました。半年くらいやって、「これはある程度伸びそうだ」と思ったところで、現在と同じ「any」という社名で法人化したんです。

 

――起業当初にされていたのは、サッカーの動画メディアと漫画アプリ。

 

吉田 最初はサッカーメディア1本でやっていましたが、メディアはすぐには食べていけるだけの売上げにはならなかったので、友人から紹介されたウェブコンサル案件などをこなしつつコツコツと。

法人化後半年くらいで事業譲渡をし、次のサービスとして漫画アプリを立ち上げました。

 

――今の事業とはかなり方向性が異なりますよね。

 

吉田 そうですね。立ち上げ当初は「自分が好きなもの」という興味関心で考えていました。ずっとサッカーをやってきたから、シンプルに「サッカーだな」とか、アプリのマーケティングをやっていたので「今なら漫画アプリが伸びそうだな」とか。

 

でも、結果から申し上げると事業としては伸びなかった。失敗したといっていい状態でした。そこで、次もまたその発想でやったらきっと同じことになると考え、「世の中の課題を解決する事業」「困っている人の役に立つサービス」とまったく発想を変えて、ゼロから作り直すことにしたんです。

すべての業種・業態で課題だった「情報共有」

――いろいろな経営者の方を見てきていますが、そういったピボットができる方って案外少ないんですよね。(うまく行かない)そもそもの問題にも気づかないまま泥沼にはまってしまうケースも結構あって。

 

吉田 とにかく最初は失敗ばかりだったので、常に危機感がありました。「このまま終わったら、何のために起業したのだろう」と。そんな状況だったので、起業家としての自分を俯瞰して見る習慣が自然と付いたとは思います。

新サービスの着想を得るにあたっては、まず、自分がこれまで困ってきたことをバーッとリスト化して、その中でQastにつながるアイディアを選びました。

 

――これ、我がこととして実感するのですが、会社の中で飛び交っている情報をナレッジとして蓄積することって本当に難しいですよね。プロジェクトを立ち上げて一時期頑張っても徐々に更新されなくなってしまい、ただの散財で終わることが少なくない。

 

吉田 はい。自分は初めてする質問だけれど、質問を受ける相手にとってはもう何度もされている質問だったり、私自身、部下ができるたびに毎回同じことを質問されるという原体験があり、「効率が悪いな」とずっと感じていました。

いろいろな業種や規模感の会社に30社程度ヒアリングを行ったのですが、同じように思っている方は多かったですし、情報共有ツールを使ってみたものの満足していないという回答も目立っていたので、「ここはやる余地があるな」と。

 

――着想からサービス化までにはどのくらいかかっているんですか?

 

吉田 だいたい半年くらいでしょうか。開発を始めてからですと、3ヵ月でリリースに至りました。当然、すべての機能が揃っている状態ではなく、Qastのコンセプトや“社内Q&A”的なもののニーズがどの程度あるのかを見るためのミニマム開発でした。

 

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プロフィール

  • 吉田 和史氏

    any株式会社 代表取締役

    福岡出身。30歳。 2012年〜、株式会社アイモバイルで国内最大級のアドネットワーク「i-mobile」のメディア営業を担当。 国内有数のヒットアプリのマネタイズに携わると同時に、自社メディアの立ち上げや全国各地でセミナーを企画/運営し、BtoBマーケティングを経験。 2014年〜ゲームアプリ開発を行うグッディア株式会社にて、ゲームアプリのプランナー/ディレクター/マーケターを兼任。2015年~同社での事業買収に伴い、webメディア事業の部長に就任。 2016年10月、any株式会社を創業。バーティカルメディアやマンガアプリの運営を行い、現在はいずれも事業譲渡済。 2018年7月~、社内のナレッジ共有サービス「Qast」の運営を開始。