TOP イマ、ココ、注目社長! 「よく伝わる手順書」の作成・管理をより簡単に進化させ、生産性向上をサポートする。【前編】

2020/08/26

1/2ページ

第107回

「よく伝わる手順書」の作成・管理をより簡単に進化させ、生産性向上をサポートする。【前編】

  • イマ、ココ、注目社長!
  • 経営者
  • 組織
  • 経営
  • 株式会社スタディスト 代表取締役 鈴木 悟史氏

 

現役一流経営者の記事が読める!60秒で簡単メンバー登録はこちら  >

 

「手順書やマニュアルを読んだけれど、文字ばかりで読む気がしない」、あるいは、「そもそも手順書やマニュアルがどこにあるかわからない」、またそのために、「せっかく費用と時間をかけてつくった手順書が現場で使われていない」――。多くの職場ではこんなことが日常的に起きています。そこで、この問題を解決すべく株式会社スタディストが提供しているのが、手順書の作成・共有・管理をかんたんに行うことができるプラットフォーム『Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)』です。今回のイマ、ココ、注目社長は、「これは無駄をなくすための世直しだと思っている」と話す鈴木悟史さん(同社代表取締役)に話をうかがいました。前後編でお届けします。

 

(聞き手/井上和幸)

先日、パソコンの操作に困って、某PCメーカーが作成したマニュアル(手順書)を読んだときのことです。忙しい中、PCをセッティングする必要に迫られたのですが、「何をどうしろ」ということが全て文字で記されているのでわかりづらく、大変にイライラしました。皆さんも、PCに限らず職場でさまざまなマニュアルを読むたびに、同じような思いをされていることでしょう。

 

それに対して、株式会社スタディストが提供するプラットフォーム『Teachme Biz』(=写真①)でつくられた手順書を使ってみると、写真と矢印で示された通りに操作するだけで、文字を読むストレスもなくゴールまでたどり着くことができました。

感心したのはそれだけではありません。同サービスは、手順書の作成がとても簡単です。例えば、iPhoneで写真を撮って保存し、一括で取り込んだ後は、説明文を書くのではなくて、写真の順番を並び替えてマーク(矢印や簡単な指示書き)を付けるだけ。また、手順書を組み合わせて人材育成のトレーニングコースもつくれるため、遠隔で実践的な講習ができるのです。

 

以下は、同サービスの意義を世に問い、これまで海外を含め累計2,000社超へ提供している鈴木悟史社長との対話です。

写真①

――さすがに、わかりやすいですね。今の流れで言えば、ヘンな話、「写真を1回まず落としておけよ」という話で、落とし込みながら写真を整理をしているという感じでいいわけですよね。

 

鈴木 そうですね。ただ、最近はコンサルタントが入って、「どんな用途で、どういう効果を狙ってやっていきますか」とお客様と調整を図りながら導入することが多くなっています。

 

――なるほど、ちゃんとした効果があってわかりやすいものということで言えば、当然そうですよね。

 

鈴木 業務に組み込まれてしまえば、我々のサポートも必要がなくなってきますので……。

 

――導入のところで、「こういうふうにつくるとよいですよ」ということもサポートされているということですね。

 

鈴木 はい。カスタマーサクセスチームが初期の立ち上げのご支援をさせていただいて、大規模での導入であればコンサルタントが付くような形になります。『Teachme Biz』は良くも悪くも「手順書ツール」なので、手順書をつくって、ただ置いておくだけでは効果は生み出さないんですよ。「その手順書を使って何をしたいのですか」ということを、我々とお客さまで合意して、「じゃあ、この用途でこういう風につくりましょう。だからこの手順書が必要ですよね」とやらないと、役に立ちそうもない手順書だけがただ量産されて、「何のためにつくったんでしたっけ?」となりますから。

 

――納品の証明になっているケースもB to Bでは多いですからね。

 

鈴木 それではダメなので、我々も今は、かなり入るようにしています。

 

会社が倒産した際に経営者を責めず、自分ならできるか?と考えた。

――御社のサービスについては改めてうかがうとして、ここでは鈴木さんが新卒入社でインクス(現SOLIZE)を選ばれたあたりから、ご自身のビジネスキャリアを振り返っていたければと思います。

 

鈴木 私は明治大学の理工学部建築学科出身(大学院)で、建築方面に進むつもりでした。当時、ちょうど「3次元CAD」が大学に入って来ていて、それを使って建築のデザインをするのが興味あることだったんですよ。ちなみに、明治の建築学科からは著名な建築家が出ていて、例えば、日本建築家協会賞なども受賞している中村拓志氏も私の同期です。

 

――明治大学の建築学科から多くの人材が出ていることは僕も存じ上げていました。僕自身は文系(政治経済学部)なのですが、実は建築関連のことが昔から好きで、関連本や画集をよく読んでいるんです。

 

鈴木 そうなんですね。

 

――鈴木さんが建築ではなくコンピュータの世界へ進んだのはなぜですか。

 

鈴木 当然、建築デザインの道に進むつもりでしたが、その頃、建築業界は不況で、「人は要らない」と言われたからです。「人が要らない業界に飛び込むことに意味があるのだろうか?」とイヤになってしまいました。

また、私はコンピュータ自体に極めて大きな可能性を感じていたのですが、建築業界の中には「コンピュータでデザインなんかするからこんな変なデザインになるんだ」というような建築家もいました。

 

それで、「3D技術やコンピュータの可能性をフルに活かせない業界で仕事をしたくない。コンピューターグラフィックスの分野に行きたい」と思っていたときに、インクスという会社が3次元CADを使ってモノづくりの世界を変えようとしていると聞いたんです。

それでインクスの会社説明に興味本位で行ったら、シリコングラフィックスのワークステーションがズラッと並んでいた。当時シリコングラフィックスといったらカッコよくて、建築学科の学生にとって憧れのワークステーションだったんですね。「ここは面白そうだな」と思って入社を即決しました。それ以外の会社は一切受けませんでした。

 

――なるほど、そういういきさつがあったわけですね。

 

鈴木 インクスに入ってからは、自動車部品メーカーのパーツを3次元CADで設計して、それを3Dプリンターにかけて……といった、普段は知ることのない世界を知って、どんどんのめり込んでいきました。当時のインクスは超ハードワークでしたけれどね(笑)。

 

――当時は非常に勢いがあった会社でしたね。仕事自体はかなり大変だったとはいえ、鈴木さんとしては充実感を持ってガンガン働かれていたわけですね。

 

鈴木 そうです。チャンスをたくさんくれる会社だったので、それをものにすればどんどん上に上がっていけたし、報酬も上がっていきました。それが面白かったですね。

 

――すごいですね。結局、インクスには何年くらい勤められたのですか。

 

鈴木 11年です。

 

――その後、インクスは2009年に民事再生という形になってしまわれたわけですが、原因は市場環境ということでしょうか。

 

鈴木 きっかけではありますが、それだけではないですね。会社というのは、硬直化していってイノベーションが起きなくなっていくと、出て行ってしまう人間も出てくるし、進化のないサービスを売り続けることにもなります。古いものが廃れてくるところに新しいものが生まれてくるという波形がずっと重なっていくことで、会社は大きくなっていくものだと思いますが、インクスの場合はメディアにもたくさん取り上げられて、大手自動車メーカーなどともお付き合いするようになって、会社全体がどこかで満足してしまった。非常に面白かった会社が、いつの間にか変化が生まれにくい会社に変わってしまったような印象がありました。

1

2

プロフィール

  • 鈴木 悟史氏

    株式会社スタディスト 代表取締役

    明治大学大学院卒。株式会社インクスにて、3DCADの機能仕様検討業務や設計システムの開発に従事し、製品開発プロセス改革のプロジェクトリーダーを歴任。その後、同社パートナー職を経て、2010年2月インクスを退社。同年3月に株式会社スタディストを設立。