2020/08/20
1/1ページ
敏腕キャピタリストの着眼点
第12回
シードアーリーで億単位の投資を実行し、日本にメガベンチャーをつくる! 【前編】
- 組織
- 経営
- フェムトパートナーズ株式会社 ゼネラルパートナー 磯崎 哲也氏
- 株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸
VCから見た「ベンチャー、ベンチャー経営者」を深堀りしていく、「敏腕キャピタリストの着眼点」——。
今回のゲストは、フェムトパートナーズ株式会社ゼネラルパートナーの磯崎哲也氏です。
公認会計士でもあり、ベンチャー経営者の必読書とも言われる『起業のファイナンス』(日本実業出版社)、『起業のエクイティ・ファイナンス』(ダイヤモンド社)の著者としても知られる磯崎さんに、VCという仕事にたどり着くまでの経緯や、投資を決める際のポイント、成長する経営者の共通点、お勧めの注目企業などを2回にわたって伺いました。
ベンチャーこそ人生が最も楽しくなる仕事である。
前編では、新卒で長銀総研に入社した磯崎さんが、「シードアーリーのステージで億単位の投資をし、メガベンチャーをつくる」という、現在のVC事業にたどり着くまでの経緯をうかがいました。
井上 磯崎さんは私の(学部の)先輩ですね。私は1989年(平成元年)に卒業してリクルートに入りましたが、磯崎さんは1984年、長銀総研に入られています。そもそも学生時代にはどんなことをやろうとお考えでしたか。
磯崎 多くのベンチャーにかかわっているのに大変お恥ずかしい限りですが、将来のことは全く何も考えておらず、特に起業などは夢にも考えたことがありませんでした(笑)。
高校時代にまで遡ると、物理学や宇宙にとても興味があって、大学入試でも物理学科などを受けたのですが、幸か不幸か全て落ちてしまった。それで、「たまたま」と言ったら失礼ですが、唯一、早稲田の政治経済学部に拾っていただけました。英語などは文系の人たちと戦えるような実力ではなかったので、おそらく数学で満点をとったおかげで受かったのだと思います。
それまでは、経済がどう回っているかなど全く考えたこともなかったのですが、「経済学は数学を使える」ということがわかり、だったらやってみようかなと思ったのが、経済学部入りを決めたきっかけです。
井上 そうなのですね、そういう意味では就職先に長銀総研を選ばれたのも繋がりがあるように感じますが。
磯崎 そういう経緯で、2年生くらいまでは熱意を持って経済を勉強していたものの、3年生からはアルバイトの方が面白くなってしまいまして……、ほとんど大学にも行かずにプログラミングを手伝ったり、ガソリンスタンドで働いたりしていました。 4年生になっても就職活動をどうやっていいかイメージが湧かないので相変わらずアルバ...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。