TOP 社長を目指す方程式 ポストコロナに向けて手に入れるべき 3つの人的ネットワーク

2020/08/18

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第46回

ポストコロナに向けて手に入れるべき 3つの人的ネットワーク

  • キャリア
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  • 株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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今回の社長を目指す法則・方程式:

リンダ・グラットン「未来に必要となる三種類の人的ネットワーク」

 

 

新型コロナ感染拡大止まず、読者の上司各位も「これはもう、1年か数年か分からないけれども、ウィズコロナで付き合っていくしかないのだろうな」と腹決めされた方が多いのではないかと思います。とすれば、それを大前提として、その後のポストコロナ〜ニューノーマル時代に向けて、私たちはどうすれば自身の業務において付加価値を産み出すことができ、一方では健全な仕事と生活を続けていくことができるのでしょう? 


 
LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』著者のリンダ・グラットン氏は、『LIFE SHIFT』の前著となる『WORK SHIFT』(プレジデント社)の中で、2025年に私たちがどのような働き方になるかを予測。その処方箋を紹介しています。もちろんこれはビフォーコロナに書かれたものですが、いま読み返してみますと、まさにウィズコロナ、ポストコロナにおいてこの予見の通りになるだろうと思える論旨です。皆さんもよろしければ、この秋の読書の一冊に加えて頂ければとお薦めいたします。 

 

私たちがいま〜これから、手に入れるべき3つの人的資産 

グラットン氏の結論からご紹介すれば、2025年に私たちは、広く浅い知識を常時手に入れることと、自分にしかできない知識の深さを得ることの、両輪が求められるようになっているだろうとのこと。

「古い価値観のもとでは、やる気と野心と強い競争心があれば成功できると考えられてきた。しかしこれからは、高度な専門技能を習得し、そのうえで多くの人と結びつかなければ成功できない」(『WORK SHIFT』)

 

なぜかと言えば、私たちが築いた専門的な能力やノウハウ、人脈はもちろん価値あるものですが、いま〜これから、それだけでは十分ではありません。グローバル化とデジタル化で世界中の人たちが結びつく時代には、イノベーションと創造性が非常に重要となっていますが、真のイノベーションと創造を成し遂げようと思えば、大勢の人たちの能力とノウハウ、人脈を結合することが不可欠なのだとグラットン氏は同書で強調しています。

 

そこでグラットン氏は、次の3つの人的ネットワーク(「人的資産」)を築き、保有することが必要だと言います。

第一の人的ネットワーク=「ポッセ(Posse)」:比較的少人数の信頼できるメンバーで構成されるコミュニティ
第二の人的ネットワーク=「ビッグアイデア・クラウド(Big Idea Cloud)」:自分の人的ネットワークの外縁部にいる人たちで構成される。メンバーの数が多ければ多いほど良い。
第三の人的ネットワーク=「自己再生のコミュニティ」:現実の世界で顔を合わせ冗談を言い合える、プライベートな悩みを相談できる支えと安心を提供してくれる人たち。

 

それぞれがなぜ必要か、どう機能するのか、簡単にご紹介しましょう。 

深く、広く、親密な人的ネットワークの必要性 

私たちは、大抵のことはインターネットを検索すれば、かなり専門的な知識まで情報収集可能となってしまいました。つまりそれはあなただけでなく、世界中の誰もが容易に手に入れられる情報や知識です。広く浅い知識を持っているだけでは価値を生み出せなくなり、知識の深さが求められるようになっています。 
 
あなたが一人孤立した状態で、高度な専門知識(深い知識)が身につくことは考えづらく、未来に必要とされる高度な専門知識を効率良く習得するためにアドバイスと支援をあなたに与えてくれる比較的少人数のブレーン集団が不可欠。これが「ポッセ(同じ志をもつ仲間)」です。 


一方で、解決したい課題が大掛かりで複雑に入り組んでおり、イノベーションを必要とするのであれば、ポッセだけでは解決が難しいでしょう。必要なのはスケールが大きくて斬新なアイデアです。 
その巨大な情報データベースの発信元となっている人的資源に広く浅くリーチする場を持つこと。これが「ビッグアイデア・クラウド」です。テーマや関心ごとに世界規模で形成されるオンライン上などでのコミュニティがこれに当たります。 
 
そして全てがオンライン上でコミュニケーションされる新常態であるからこそ、情報の渦の中での慌ただしさ、孤独に対して、支えと安らぎの源となるコミュニティが不可欠となることは、まさにこの新型コロナ禍の中でリモートワークを経験している多くの皆さんが痛感していることではないでしょうか。 

 
「孤独を味わい、いつも時間に追われるようになる恐れがあるのだ。バーチャル空間で過ごす時間が増えれば、生身の人間との接点が少なくなり、現実世界での情緒面の支えと安らぎを得る機会が減る」(『WORK SHIFT』) 
 

まさにこのコロナ下でのリモートワーク状況を見て書いたようなグラットン氏の文章です。そこで情緒面の支えと安らぎを与えてくれる人間関係、すなわち「自己再生のコミュニティ」を築く重要性が増すのです。 

 

3つの人的ネットワークはいかにして手に入るのか

「ポッセ」「ビッグアイデア・クラウド」「自己再生のコミュニティ」。この3つの人的ネットワークを確保することが、私たちがポストコロナ〜ニューノーマル時代に自身の業務で付加価値を産み出し、同時に健全な仕事と生活を続けていくことができる基盤となります。 
 
これらを手に入れるには、どうすれば良いのか? 
 

「ポッセ」については、テーマ性のあるプロジェクトワークを数多く経験していき、そのプロジェクト毎にタッグを組んだ社内外の「仲間たち」との連携、GIVE&TAKEWIN-WINの仕事をしていくことでしょう。これらのプロジェクトワークでのパートナーが持つ「あなたへの記憶」こそが、今後あなたがいざという時にかつて仕事を共にした仲間の専門家に知恵を仰ぎ、彼らが気持ちよくそのあなたの相談に応えてくれる源泉となるのです。 
 
「ビッグアイデア・クラウド」については、常に知的好奇心を高く持ち、未知の場、新しいコミュニティにどんどん出ていくことで培われます。決してご近所や社内だけで毎日を過ごしていてはいけません。年齢性別国籍を問わず、常時、新たな出逢いを得ていくことです。 
 

「自己再生のコミュニティ」については多くを語る必要はないでしょう。家族、友人、利害関係を抜きにしたコミュニティの仲間たちとの気の置けない時間を大切にすることです。結局のところ、私たちが最後に帰るべき場所は、こうした愛する人たちとのつながりなのですから。 


         *         *         * 
 

リンダ・グラットン氏もまさか、2020年に新型コロナ禍が世界を席巻するとは予測していなかったでしょうが、彼女が分析・予測していた2025年は、おそらくそのまま数年前倒しで私たちの眼前に既に現れているのです。 

 

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※この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。