2020/08/17
1/1ページ
第119回
部下から休日に誘われたことはありますか?/『リーダーを目醒めさせるキラー・クエスチョン』
- 組織
- 経営
- 株式会社かざひの文庫 代表取締役 磐﨑文彰氏
成功する経営者は皆、多読家。
成功している経営者が注目している、読んでいる書籍をご紹介してまいります。
今回は、『リーダーを目醒めさせるキラー・クエスチョン』。
本書の編集を手掛けられた、かざひの文庫の磐﨑文彰氏に見どころを伺いました。
この本の制作中、「そういえば部下から休日に誘われたことなんてあったかな」と思い、ドキッとした。
今では一人で気ままに仕事をしているが、かつては会社勤めで何人か部下もいた。
あの頃、自分はリーダーとして機能していたんだろうか、部下を正しく導けていたんだろうか、会社の役に立っていたんだろうか……。そんなことを何度も考えさせられた。
この本にはそんな、部下を持つリーダーたちをハッとさせる、39の質問が書かれている。
それらは現代のリーダーにもっとも求められている、「より良い人間関係を築く力」、すなわちコミュニケーション力を身につけるために必要な自分への問いかけだ。
「部下が主体的に動いてくれない」「職場やチームに活気がない」「プロジェクトメンバーの能力が低い」
こんなことをもし感じているとしたら、その原因はリーダー自身にあり、部下やチームのメンバーの可能性を活かせていない最大の理由は、「リーダーのコミュニケーション力の低さ」なのだという。リーダーによる良質なコミュニケーションこそが、チームの多様なメンバーがそれぞれにパフォーマンスを発揮するために欠かせない要素なのだ。
現在、多くの職場で「コーチング」が取り入れられているが、うまく活用されているところは少ないそうだ。答えを与えたり、助言をしたりするのではなく、相手が自分で考え、自分の足で目的地へ辿り着けるよう、コミュニケーションスキルを使って支援するのがコーチングである、ということをわかっていないか、わかっていてもコミュニケーションスキルが足りていないからだろう。部下とのより良い人間関係を築いていないと、コーチングは成立しない。
著者はデビュー1年目から100人以上の予約待ちができたビジネスコーチの新星。
かつての職場ではコーチングを活用したマネジメントを取り入れ、担当部署の離職率を50%から8.5%まで下げたという実力の持ち主だ。
お会いした第一印象は、「いかにも仕事ができそうな人」。丁寧で、そつがなく、それでいて物腰が柔らかい。この人の言うことは信用できそうだなと思わせた。優しそうな人だったので、文章も優しく語りかけてくれるのかなと思っていたら予想外に手厳しかった。
「おわりに」で著者自身が、「最後まで読んでいただき、ありがとうございます。ご体調はいかがですか(笑)。中には痛い思いをした方もいらっしゃるかもしれません」と書いている通り、39の質問の中には耳に痛いものが多くあるだろう。が、それだけに、このキラー・クエスチョンをしっかり受け止め、何度も反芻し、真摯に向き合えば、リーダーとして確実に成長するのだろうと思う。
これら39の質...
こちらは会員限定記事です。
無料会員登録をしていただくと続きをお読みいただけます。