TOP 社長を目指す方程式 「高業績の追求」と「良いチーム創り」は両立し得るのか

2020/08/03

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第45回

「高業績の追求」と「良いチーム創り」は両立し得るのか

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  • マネジメント
  • ビジネススキル
  • 株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEO 井上和幸

 

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今回の社長を目指す法則・方程式:

ADPリサーチ・インスティチュート「チームリーダーの3つの仕事」

 

 

新型コロナは収束どころか再燃し、全国に飛び火する感染拡大に日本国民全員が戦々恐々としているところです。 


先行き不透明なウィズコロナ環境下、事業活動としては各社ともに自社の事業リスク・経営リスクへの警戒感、危機感を強め、収益確保が大命題となっています。 

 

上司の皆さんには、兎にも角にも「高業績を上げること」が厳しく問われている状況。しかし上司の皆さんの気持ちとしては、もちろん業績第一は分かるのだけれども、就労環境・雇用環境的にも不安定感が増し、部下たちも不安な気持ちを抱えたりモチベーションが下がったりしがちな中、業績一辺倒ではなく「良いチームを創り、率いたい」そのような気持ちの揺れを抱えていらっしゃるところかと思います。 


さて、そこで考えてみたいのが、そもそも「高業績の追求」と「良いチーム創り」は二者択一的な対立することなのでしょうか?(何となくそのようなイメージをお持ちの方は多いと感じます。)言い方を変えれば、「高業績の追求」と「良いチーム創り」は両立し得るのでしょうか?今回はそこに迫ってみたいと思います。 

 

「良いチーム」創り VS 「高業績」を上げる の解 

高エンゲージメント組織を生み出すカギ 部下に聞きたい8つの質問」の回でご紹介しましたが、ADPリサーチ・インスティチュートによれば、そもそも高業績チームとそうでないチームの比較調査を行ったところ、高業績チームでは・中業績チームに比べて際立った8つのエンゲージメント項目が発見されました。  


それを括って大別してみると、高業績チームでは 1)チームまたは会社として使命や価値観を共有できていること 2)私個人に期待されていること、強みの発揮機会、成長機会、承認機会があることの2つを満たしていることが分かります。 
 

ここまでで早速、今回の疑問である【「高業績の追求」と「良いチーム創り」は両立し得るのか?】についての、明確な回答が出ました。 
そう、この2つは二択ではなく、両立し得るというよりも、「良いチーム創り」こそが「高業績の追求」に直結するのです。 
 ここは、昨今のような戦々恐々としがちな職場環境においては、上司の皆さんにはしっかり再確認、再認識頂ければと思うところです。 
 

とかく厳しい事業状況、商況となりますと、どうしても上司各位はピリピリしてきますし、目先の数字の達成状況にばかり気持ちがいきがちです。すると、「おい、何とかしろ」「のんびりしている場合じゃない」「必死でやってるのか」というような追い込みモードに入ります。 
 

それが不要ということではありませんが、そもそも事業や商品、サービスの意味、意義、価値についてしっかり認識し提供に動くという、業績作りの土台の部分をないがしろにしたり忘れてしまったりして逆に足場が覚束なくなる行動に振ってしまったり、メンバー個々人のやりがいやテーマ、成長などに基づくコミットメントを毀損するような行動管理に陥ってしまうケースが非常に多いと思います。 
こうした上司のマネジメントは、業績をテコ入れするどころか、逆に更に悪化させる原因となっている訳です。 

最高のチームリーダーの「3つの仕事」 

最高のチームリーダーを凡庸なチームリーダーから際立たせているものは、チームのメンバーが持っているこの大きく2種類の欲求を満たすことができる能力だということが、ADPリサーチ・インスティチュートなどでの20年以上の研究から分かっています。ですから当コラム読者の上司の皆さんには、これを使わない手はないですよね? 
 
これに基づき、もう少し具体的に整理してみますと、上司(チームリーダー)の皆さんには、以下の3つの仕事があると言えます。 
 

・第一の仕事は、チームメンバーが会社の目的と未来を自分のものと感じられるように手助けすること。 
・第二の仕事は、チームメンバーが集団として互いを理解し合い、支え合えるよう図ること。 
・第三の仕事は、チームメンバーが、自分は一人の人間として認められていると感じながら、自分は期待されていて、どうすれば今後ベストな仕事ができるかを理解できるよう手助けすること。 
 

どうでしょう?上司の皆さんご自身が、自分でも社長などご自身のボスに求めたいものでもあると思います(笑)。もちろん上司の皆さんご自身がこれらを満たす働き方をされていらっしゃることが非常に重要で、それと同じセットアップを自チームに組み込むことこそ、このタフな状況を乗り越え高業績を上げ続ける要諦なのです。 
 

改めて、高業績チームのメンバーが持つエンゲージメント8項目をおさらいしておきましょう。 
 

「私は、会社が掲げる使命に対して心から貢献したいと考えている」「仕事上で、自分に期待されていることを明確に理解している」(仕事における目的) 
「所属チームのメンバーと価値観が共通している」「仕事で毎日、強みを発揮するチャンスがある」(卓越性の発揮機会と支援) 
「チームメイトが私をサポートしてくれる」「優れた仕事をすれば、認められることがわかっている」(チームとしての一体感) 
「会社の未来は明るいと強く信じている」「仕事では常に、成長が求められている」(未来を切り拓く) 
 
これらを可能な限り満たすべく、3つの仕事にさあ、取り組みましょう! 
 
         *         *         * 
 
改めて強調しますが、高業績を上げる高エンゲージメント状態が創れるか否かは、チームリーダーである上司の皆さんが鍵を握っています。だからこそ「3つの仕事」をしてくれる上司か否かについて、このウィズコロナ下、これまで以上に強く問われるようになっているのです。 


<部下たちの「自分自身」「チーム」「会社」に対する意味・意義をしっかり持たせてあげることでこそ、業績は上がるのだ。良いチームと高業績は対立するものではなく両立するものだ。それ以上に密接に相関しているのだ。> 

 

こうしたことを常に携え、日々の事業、業務に当たる上司の皆さんが、今後のニューノーマル(新常態)で求められる上司、将来社長になる上司です。 

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※この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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プロフィール

  • 井上和幸

    株式会社経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。