TOP 社長を目指す方程式 「3つの力」が鍵 これから差がつくテレワーク上手な上司、下手な上司

2020/07/07

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社長を目指す方程式

第43回

「3つの力」が鍵 これから差がつくテレワーク上手な上司、下手な上司

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今回の社長を目指す法則・方程式:

片桐あい「テレワーク3.0」


 
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言の全面解除から1カ月半。東京では皮肉にも解除後に感染増加が続く中で、この状態が当たり前の「ウィズコロナ」下での<通常営業>が始まっています。
緊急事態宣言下では様々な急場凌ぎの対応が行われ、慣れない在宅ワークやオンラインでの会議、商談、あるいは電子上のみでの承認決裁なども、多少の不手際があったり、苦手で自分が手を出すことから逃げていても、「まあ、仕方ないよな」とある面エクスキューズもできました。

 

そして待ちに待った緊急事態宣言解除後、街には人がどっと溢れ、コロナ以前のような通勤スタイルに戻れるかと思いきや、「あれ、これは元に戻らないの?」と、戸惑っている上司の方々も少なくない模様。その最たるものが、テレワークの継続です。

 

◆ウィズ/アフターコロナは「テレワーク3.0」

ニューノーマル(新常態)〜「コロナ以後」の新しい働き方は、オンラインでできることは全てオンライン上で行うテレワークスタイルに等しいと言って、ほぼほぼ過言ではないでしょう。3密を回避するベストチョイスであることは論を俟たず、その上でテレワークがもたらしたメリット(通勤時間の劇的削減、必ずしも必要ではなかった対面での会議・商談に伴う移動などのコスト削減、会食経費の削減、オフィス稼働費用の削減、オフィススペース自体の削減、休憩時間の有効活用、自己管理ができる前提ではワークライフバランスの充実、など)に経験者は皆、気が付いてしまいましたから。

 

人材育成コンサルタント、産業カウンセラーの片桐あいさんは近著『これからのテレワーク-新しい時代の働き方の教科書』(自由国民社)の中で、今回の新型コロナの影響でテレワークに入った今を「テレワーク3.0」と呼び、今回のテレワークがうまくいくために必要な「3つの力」を「セルフマネジメント力」「マルチコミュニケーション力」「成果の見せる化力」だとしています(ちなみに1990年代、外資系企業などがメールや電話を使って実施していたのが「テレワーク1.0」。インターネットが普及し、フリーランスの拡大などと共に新型コロナ以前までに実施されていたのが「テレワーク2.0」とされています)。

 

◆テレワークの「天国と地獄」

テレワークを一定期間以上継続すると、自分自身でも問わざるを得ないのが「セルフマネジメント力」ではないでしょうか。
もしかしたらオフィスにいたときも、気がつくとYouTubeを見ていたり、スマホチェックに余念がなかったりしたかもしれません(苦笑)。それでもオフィスワークをしていると周囲の目や上司・同僚のチェックが入らざるを得ないので、一定の行動規制や業務への取り組み管理がされていたことでしょう。

 

これが一切なくなってしまうことは、テレワークを開始した当初はパラダイスに思えるかもしれませんが、ある一定期間を過ぎれば、自分自身への不安や自己嫌悪へと激変します。
「ああ、こんなことでは仕事の成果が上がるはずがない」「こんなだらけた自分では、ダメな人間、仕事のできない人間になってしまう」…。業務に邁進できている人はこのような感情に陥ることはありませんが、自己管理ができなくなっている人はこうした自分への負の感情を抱かざるを得ないのがテレワークの怖いところです。

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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