TOP イマ、ココ、注目社長! ウィズ・コロナの世の中でも日本中の子どもたちが安定的に楽しく学べるプラットフォームづくりを目指す。

2020/06/17

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第94回

ウィズ・コロナの世の中でも日本中の子どもたちが安定的に楽しく学べるプラットフォームづくりを目指す。

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  • 株式会社 ハグカム 代表取締役 道村弥生氏

やらずに後悔するなら、即座に直談判 

――ハグカムさんは、最初、サイバーエージェントさんの子会社の新規事業としてスタートした経緯がありますね。 

 

道村 はい。人事の仕事を1年した後、3年ほどアメーバのプロデュース事業の仕事をさせていただのですが、藤田(晋 サイバーエージェント代表取締役社長)さんに近いポジションだったこともあり、雑談ベースで教育事業の提案をしたこともあったんです。でも、「うーん、でも教育って大変だよね」と(笑)。 

 話を聞いていてサイバーが描くインターネット事業の成長曲線に地道に伸びていく教育事業は合わないのだろうなということは、私も納得できました。会社に対してはなんの不満もなかったのですが私が教育事業に携わるときはサイバーを辞めるときなのだろうなというのは、漠然と思っていました。 

 

――そうですよね。それが良い悪いではなく、会社それぞれにコンセプトやビジョン、ミッションはありますからね。ところがその教育事業が退職することなく実現しましたよね。 

 

道村 「あした会議」というサイバーの中で一番大きな新規事業会議で、子ども向けの知育アプリのようなアイディアが出されたんです。会議ではボツになったのですが「まぁ、その子会社でやるならいいけど」と藤田さんがつぶやいたのを、私は聞き逃さなかった(笑)。 

 それで、その否決されたアイディアを私が勝手に拾って、提案した子会社の社長さんのところに「このアイディアを実現してくれるなら、そっちに異動したいんですけど!」と直談判。 

 

――すごい…。それでやってみようということになったのですか? 

 

道村 そうです。そこから私は子会社に出向させていただいて、子会社の中の子会社ですから、本体から見たら孫会社のような形になりますが、2014年に今と同じ名前「株式会社ハグカム」がスタートしました 

 

――個人的な興味で伺いたいのですが、そういう意思決定はどのようになされるのですか? 

 

道村 もう、直メッセージです。Facebookのメッセンジャーで(笑)。 

 

――それで決まってしまうんだ。すごいですね。 

 

道村 そこが、サイバーの良いところですね。その子会社の社長さんも、名前は知っていたもののほぼ初対面。でも、「ダメ」と言われたらそこであきらめればいいことなので、1%でも可能性があるなら言ってみようとメッセージを送ったら、好意的な返事をいただくことが出来た。「でも道村さん、アメーバを抜けられないでしょ?」「いや、抜けてきます!」みたいな感じで交渉がはじまりました(笑) 

「オンライン=安かろう」というイメージを払拭したい 

――手を上げて、念願の教育事業をさせてもらえることにはなったものの、インタビュー記事などを拝見すると、なかなかうまくは行かなかったようですね。 

 

道村 これは私の甘いところだったのですが、「教育事業だし3年くらいかけて地道にやっていくのかな」と思っていたら、1年くらいのタイミングで「このままだと事業は続けられない」と。出資していただいた資金が、ほぼ人件費に消えてしまっていたので…。 

 でもここで、「そうですか、では本体(アメーバ)に戻ります」とやってしまったら、私は一生、教育事業に関われなくなるのでは?と思い、そこから独立に向けて動き始めました。「え、出資って何ソレ?」というレベルでしたが(笑)、<子どもの「できた!」を育む。>というビジョンができた時点で、人生をかけて教育事業をやろうと心が決まっていました。 

 

――実際に、独立して起業するところまで整ったのはいつでしたか? 

 

道村 事業計画を見直しながら投資家の方を紹介していただいたりして、最終的に今の会社を登記したのが2015年9月。翌10月には第三者割当増資で新しい株主の方に出資をしていただき、11月に「GLOBAL CROWN(グローバルクラウン)」をサービスインしました。半年くらいで、事業立ち上げと独立と出資のすべてをバタバタと動かした感じです。 

 

――サイバーエージェントの子会社で立ち上げていたものを、移管した形なのですか? 

 

道村 旧ハグカムは精算して、同じ社名の会社を作り直しています。さらに、開発途中だったGLOBAL CROWNのシステムを、交渉の結果、安価で譲渡していただきました。見え方的にはスピンアウトですが、現在はサイバーエージェントとの資本関係はありません。 

 

――結構、資金調達もされていますが、GLOBAL CROWNのシステムはどのような改善をされたのですか? 

 

道村 今もユーザーの要望や事業成長のために改善はし続けていて、これまでに何本施策を打ったのかわからないほどです。やはり英会話市場はリアルの教室がものすごく強くて、すでに通っている教室や使っている教材があると、なかなかスイッチしてもらえませんし、広告費を投下して認知を広めても、知ってもらってから興味を持って検討してもらうまでの時間もすごく長い。 

 

プロフィール

  • 道村弥生氏

    株式会社 ハグカム 代表取締役

    明治大学商学部卒業後、2007年にサイバーエージェントに新卒入社。 営業、子会社経営、人事、サービスプロデュースなどに従事。多くの学生や新社会人と会う中で、幼少期の原体験がその後の人生に大きな影響を与えていると実感し、2015年に株式会社ハグカムを設立。 自身も両親と祖父母の全員が教師という教師家庭で育った経験から、 <子どもの「できた!」を育む。>をビジョンに掲げ、いつでもどこでも子供にとって恩師のような先生に出会えるオンラインスクール事業を展開。 子ども向けオンライン英会話サービス「GLOBAL CROWN(グローバルクラウン)」を家庭向けと法人向けに提供している。今後は、好奇心を育むオンライン教育プラットフォームを目指す。 プライベートでは2児の母。