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2019/08/07

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第39回

日米で上場したシリアルアントレプレナー―、 次は日本企業の未完成技術の「カーブアウト」をめざす。

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  • Techpoint, Inc. President & CEO 小里 文宏氏

 

テックポイント社(Techpoint,Inc.)は、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置き、日本、中国、韓国、台湾などでグローバルに展開する半導体ベンチャーです(2012年設立)。同社が手がけるのは、「監視カメラ」や「車載カメラ」用の半導体の設計・販売・マーケティング。これらの市場の伸びと共に急成長を遂げ、2017年9月には東京証券取引所マザーズ市場に上場しています。創業者の小里文宏社長(President & CEO)は、商社やメーカー勤務を経て、アメリカで起業。これまでに3社を設立し、そのうちの1社を売却、2社をそれぞれ日米で上場させている経営者です。

 

小里社長に、テックポイント社を日本で上場した理由や、経営観などをうかがいました。

(聞き手/井上和幸)

監視カメラと車載カメラ向け半導体を開発・販売し、グローバルに展開。

小里社長のご経歴は、まさにシリアルアントレプレナーと呼ぶにふさわしいものです。

 

簡単にご紹介しておけば、小里社長はカリフォルニア大学サンタバーバラ校の理学部数学科を卒業。新卒でトーメンに入社し、その後、リコーへ転職しました。

 

アメリカ駐在中にシリコンバレーで人脈をつくり、1995年、35歳のときにCD-ROM装置用の制御IC開発を手がけるシグマックス・テクノロジー社を設立。

 

急成長したその会社を1年半で売却すると、1997年にはディスプレー用半導体を手がけるテックウェル社を創業します。そして、2006年には米国ナスダック市場で上場を成し遂げ、これを4億5500万ドルで売却しました。

 

小里社長は、この2社の売却について、1社目については、「先輩たちから1年半でこれくらい価値が付けばいい。またやればいいじゃないかとアドバイスを受けて、そんなものかと思ったから」、そして、2社目は、「大手ベンチャーキャピタルから、売れ、売れとプレッシャーをかけられたから」と話しています。「2社目は続けていればかなり大きな会社になったはずなので、ちょっと惜しかった」とも。

 

さて、2017年に東京証券取引所マザーズ市場に上場したテックポイント社は、監視カメラと車載カメラ用の半導体を手がける会社です。

 

この2つは、今、世界的に急成長している市場。同社もその波に乗って成長を続け、世界6か国で事業を展開しています。

 

 

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プロフィール

  • 小里 文宏氏

    Techpoint, Inc. President & CEO

    1985年に米国カリフォルニア州立大学 サンタバーバラ校の理学部数学科を卒業後、トーメンに入社して車両輸出部に配属。 1987年にリコーに入社し、米国半導体事業担当となり、1989年からは米国リコーに駐在します。 この時代に、シリコンバレーにおいて半導体ベンチャーや投資家の人脈を広げていった小里は1995年、同地でCD-ROM装置用の制御ICを開発する米Sigmax Technologies社を創業し、社長に就任します。 同社はCD-ROM装置の市場拡大の波に乗り、短期間に売り上げを伸ばし、その成長性に注目した同業大手の米Adaptec社に買収されます。 小里はさらに1997年、ディスプレー用半導体などを手掛ける米Techwell社を創業します。 テレビメーカーなどへの採用が順調に伸び、売り上げや利益が拡大した結果、2006年には米ナスダック市場での株式公開(IPO)を実現しました。 Techwell社はその後、アナログ半導体大手である米Intersil社に4億5500万米ドルで買収されます。 小里はさらに半導体ベンチャーの可能性を追求するべく、3社目の半導体ベンチャーとして2012年にTechpoint社をシリコンバレーで創業し、現在に至っています。