TOP 異能の経営者 ~ I know. ~ 【広津崇亮氏】「ちょうどいい」と思われる いいとこ取りのポジションを狙う。(Vol.4)

2019/06/13

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第24回

【広津崇亮氏】「ちょうどいい」と思われる いいとこ取りのポジションを狙う。(Vol.4)

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  • キャリア
  • 経営者インタビュー
  • 株式会社HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役 CEO 博士(理学) 広津 崇亮氏

 

線虫を利用したがん検査『N-NOSE』の実用化に向けて研究・開発を進める株式会社HIROTSUバイオサイエンスの代表、広津崇亮氏。がん検査『N-NOSE』が世界的に注目を集めているが、この検査の優位性は何なのか。そして、“世界へと広めていくために何を考えているか”を聞いていくと、そこには「異能の経営者ならではの発想」があった。順に紐解いていく──。

 

■がん検査には“ちょうどいいもの”が無かった

――会社を起業されてから力を入れているのが『N-NOSE』とのことですが、これは具体的にどういったものなのでしょうか。

 

線虫を活用したがん検査のシステムです。お伝えした通り、線虫はがんの匂いが好きです。ですから、人間の尿を採取して尿の中にがんの匂いが入っていると寄っていく。その動きで判定できるわけです。

 

 

――使う尿の量としてはどのぐらいですか?

 

1マイクロリットルです。原液を薄めてやりますので1滴あればじゅうぶんですね。

 

 

――1滴! 今やっている尿検査だともう、量が多すぎですよね。

 

ええ、あんなにいらないですね。世の中にはいろいろながん検査があると思うのですが、『N-NOSE』は結構“いいとこ取り”がいっぱいです。

 

 

――“いいとこ取り”と言いますと。

 

まず、尿を使ってできるがん検査はほとんどありません。皆無に近いですね。ですから、苦痛もありません。健康診断の時に出す朝一番の尿と同じものを使いますので、健康診断を受診される人からすると、手間はゼロです。

 

 

――そうか、『N-NOSE』での検査用に何か別の準備をする必要が無いわけですね。

 

ええ、それと「安い」ということが実は非常に重要です。今、次世代のがん検査で注目されている技術はどれも高いです。国立がんセンターが進めている『マイクロRNA』は有名ですが、1がん種につき2万~2万5千円の検査費が掛かると言われています。そして「13種類のがん検査ができる」と言っていますので、全て検査すると安くても26万円です。

 

 

 

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プロフィール

  • 広津 崇亮氏

    株式会社HIROTSUバイオサイエンス 代表取締役 CEO 博士(理学)

    1995年、東京大学理学部生物学科卒業。1997年、東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻 修士課程修了後、サントリー株式会社に入社。商品開発部に配属され充実した社会人生活を送るも、研究をやり残したという想いが心に残り、翌年会社を退職し学問の世界へ戻る。東京大学大学院博士課程在学中の2000年3月、線虫の匂いに対する嗜好性を解析した論文が英科学誌「Nature」に掲載され、その後も線虫に関する研究の実績が各方面より注目を集める。2013年より線虫ががんの匂いを嗅ぎ分けられるかについての研究を開始、そこで得た手ごたえを社会に還元するため2016年に起業。線虫を用いることで簡便・安価・高精度・早期発見を可能にした がんの1次スクリーニング検査を「N-NOSE」 と名付け、現在は協力会社と連携を図りながら間近に迫る国内実用化(2020年1月予定)に向け邁進している。