2019/05/10
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理論で固める経営戦略
第19回
アンチ・ヒエラルキー組織論の系譜(2) ーー「ティール組織」と日本的経営の理論的分析
- 経営
- 佐々木一寿 作家、経営者JP総研客員研究員
前回は、ティール型組織を日本発の「アメーバ経営」との類似性で考察し、導入のフィジビリティを考察した。今回は、前回に引き続き、アンチ・ヒエラルキー組織の系譜を考察、「アメーバ経営」「ティール組織」そして「日本的経営」を深掘りしていく。
■7つのパラダイム
■ティール型組織の、3つのブレイクスルー
- セルフ・マネジメント(自主経営[self-management])
- ホールネス(全体性[wholeness])
- 存在目的体現(エボリューショナリー・パーパス[evolutionary purpose])
◇ティール型組織とアメーバ組織の類似性
前回紹介した、ティール型組織とアメーバ組織の類似性を以下に再掲する。
①二項対立の回避による信頼ベースの確立・徹底
②存在目的の確認、実戦(経営理念の制定と指針化)
③セルフ・マネジメント(アメーバ組織による全員参加型経営の標榜)
④フェアネスの文化(見える化、情報共有)
⑤ホールネス(”人として“の判断を重視。話し合いの重視)
それぞれの項目の詳しくは前回に譲るとして、京セラのアメーバ経営はアンチ・ヒエラルキー組織を自覚的に目指した日本の組織として早くから注目されてきた。
1983年に上梓された『日米企業の経営比較』(加護野忠男、野中郁次郎、榊原清則、奥村昭博/日本経済新聞社)において、京セラは日本型経営のティピカルな企業として米国企業と比較され分析対象となっている。
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