2019/04/24
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第23回
「本業を助ける金融」をテーマに敷金半額保証のスキームを開発。
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- 株式会社 日本商業不動産保証 代表取締役社長 豊岡 順也氏
テナントとして入居する際に不動産オーナーに預ける敷金・保証金は、月額賃料の10ヵ月分が相場。しかし、企業にとってそのお金はただ眠っているだけにすぎないため、それを本業に使いたいはず――。
株式会社 日本商業不動産保証は、そんなニーズに気づいた豊岡順也社長が創業した会社です。同社のサービスは、テナント企業が不動産オーナーに預ける敷金・保証金の半額を同社が保証し、同社はテナント企業から減額となった分の5~10%を手数料として受け取るという「三方よし」の仕組み。「本業を助ける金融」を経営理念の第一に掲げる豊岡社長に話をうかがいました。
「眠っているだけの敷金を事業に使いたい」のニーズに応える。
――まずは、創業に至る経緯からお願いできますか?
豊岡 私にはもともと金融で起業したいという思いがあり、何かできないかなとずっと思っていました。新卒では証券会社に入ったのですが、7ヵ月経った頃に親父が倒れたので、家業を一旦手伝うことになったんですね。営業成績も良かったので辞めたくはなかったけれど、泣く泣く退職しました。
しかし、やっぱり金融がやりたいということで、その後、別の証券会社に入ったときに転機がありました。「合弁で会社をつくるのでそこの社長にならないか?」という話があって、そこが格付け会社だったのですが、その会社をどう発展させようかという話になったときに、今回の商品の商材にぶつかりました。
――証券会社の株式公開の担当としていたときにそういう話があって、合弁会社の社長になり、その後に独立されたということですね。
豊岡 その合弁会社をMBOして、独立しました。
――格付け会社のときの商材に話を戻しますが、それはどんな話でしょうか。
豊岡 ある大手ハンバーガーチェーンから、「敷金・保証金を流動化したい。現金化したい」という話がありました。私はもともと商品設計が好きだったので、その話がきっかけでつくったのが、「保証金半額」というスキームです。先方にもいろいろ精査してもらって、これはイケるかなと思ったときに、直営からフランチャイズ展開へと方針が変わってしまい、結局、その話はそのままになってしまったのですが、そこで初めてテナントさんのニーズがわかったんです。不動産オーナーは敷金を普通にもらうけれども、テナント企業であるチェーン店としては、本来、その寝かせている資金を有効活用して新規出店資金や改装資金に使った方が、売上や利益率が上がるわけですからね。
で、その後、ある不動産オーナーさんから入居する企業の財務診断の依頼を受けま...
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