2019/03/01
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理論で固める経営戦略
第16回
”神経”のような組織 ーーパラダイム・チェンジとメンタルモデル
- 経営
- 佐々木一寿 作家、経営者JP総研客員研究員
前回は、ティール導入の可能性を探る上で最重要かつ最難関であろうブレイクスルー「セルフ・マネジメント」(自主経営)を取り上げた。これまでの「7つのパラダイム」と「3つのブレイクスルー」の整理を踏まえつつ、以降ではティール型のもつ可能性や活用のヒントを(ティールにならってできるだけ有機的、統合的に)論じていきたい。今回は、ティール型組織の形態イメージとマネジメントチームのメンタルモデルに焦点を当てる。
■7つのパラダイム
■ティール型組織の、3つのブレイクスルー
- セルフ・マネジメント(自主経営[self-management])
- ホールネス(全体性[wholeness])
- 存在目的体現(エボリューショナリー・パーパス[evolutionary purpose])
◇人には脳がいくつある?
『ティール組織』の著者、ラルーは、常識があてにならない様を、「人間にはいくつの脳があるか」という質問をすることで示している。この質問は私たちの常識の危うさに気づきを与えるが、それ以上に、ラルーの組織の見方に関するメッセージを多分に含む示唆的なものでもある。
ラルーは、多くの人は「人間の体には脳は1つしかない」と答えるという。頭の中にある脳(頭脳)が唯一であり、頭脳が体に司令を送ることによって体が動くのだ、と。しかし、最近の医学では、人間の体には3つの脳があることがわかっていて、頭と腸、胸部にそれらはある。ラルーは、それぞれが自律的な3つの脳が共存して人体がなりたっていることを示すとともに、19世紀には腸の脳が発見されていたにも関わらずその後に忘れ去られた歴史的経緯を踏まえて、「脳は1つである」”べきだ”という発想が長年にわたって根強くあったのではないかと示唆している。
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