2021/10/15
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イマ、ココ、注目社長!
第183回
「のびしろで戦う」。クリーニングの世界でDXを追求。
- 経営者インタビュー
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- 株式会社ホワイトプラス 代表取締役社長 井下 孝之氏
私たちに身近なクリーニング。しかし、そこは意外にアナログな世界です。そのクリーニング業界で、DX(デジタルトランスフォーメーション)を追求して新たなノウハウを導入。「Lenet(リネット)」という画期的なビジネスを展開するのが、株式会社ホワイトプラスです。でリネットは、店舗型のクリーニングという既存のビジネスモデルを変革し、ネットで予約をするだけで完結するクリーニング。ホワイトプラスでは消費者の生活を豊かにするサービスを提供しています。
代表取締役を務める井下孝之氏は、神戸大学大学院自然科学研究科在籍中に、世の中に価値のあるものを生み出したいとビジネスを志向。ベンチャー企業でビジネスを学んだのち、同じく起業志向を持つ2人とともに、ホワイトプラスを起業しました。なぜクリーニングのビジネスを手がけたのか。何を目指してビジネスを展開しているのか。井下氏にお話をうかがいました。
(聞き手/井上和幸)
世の中に価値のあることを生み出したい
――井下さんは神戸大学工学部を卒業されています。その進路はどうして選ばれたのですか。
井下 高校生のころ、将来、世の中に必要とされる分野に進みたいと漠然と考えていました。そこで当時は太陽光発電が有望視されていたのもあり、工学部の電気電子工学科を受験しました。ところが、入学した年に太陽光発電の研究をされていた教授がいなくなってしまいました。もともと漠然としか考えていなかったところに都合のよい言い訳ができてしまったようなもので、もっぱらバイトや遊び中心の大学生になってしまいました。
――そうは言っても、その後、大学院にも進まれていますね。
井下 工学部出身者は大学院をでていないと一人前として扱ってもらえず、研究職として将来活躍できないといわれていたので、大学院の自然科学研究科に進学しましたが明確な目的があったわけではありません。ただ、そこで実感したのは、研究は運だということです。
何年やっても、いくら努力しても、結果が出ないことが珍しくありません。そういう世界に身を置くのではなく、運よりもより実力が反映される世界にいこうと考えていました。そこで出会ったのがビジネスの世界で、ビジネスの世界なら自分の力でチャンスの扉をこじ開けながら価値をつくっていける。運よりも自分次第の世界の方が、世の中に価値のあることを生み出せるのではないかと考えました。
――もともと世の中の役に立つことをしたいという思いが、強かったんですね。
井下 幼いころから、「生きているからには何かを残したい」「限られた人生で何かを生み出してみたい」と思っていました。4歳の...
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